2024/09/17 08:49
ある夜、彼女と一緒に映画を見終わって帰り道を歩いていると、俺は心の中でそう決心した。いつも通り、彼女を家まで送るつもりだったが、その日は違った。これまで何度も言おうとして飲み込んできた言葉を、とうとう口に出すときが来たのだ。
玄関前に着いたとき、俺は彼女に呼びかけた。
「由香里、ちょっと話したいことがあるんだ。」
彼女は少し驚いた顔をして振り向いた。彼女が何かを感じ取ったのか、その表情には、ほんの少し緊張が走っていた。
俺は大きく息を吸って、これまで何度も心の中で練習してきた言葉をようやく口に出した。
「ずっと君のことが好きだった。」
彼女は目を見開き、言葉を失ったまま俺を見つめていた。俺は一瞬、何も言わずにそのまま彼女の反応を待ったが、すぐに続けた。
「君が両親のことで大変な時も、俺はずっとそばにいたかった。最初は、ただ君を支えることができれば、それでいいと思ってた。でも、今は…もっと君の近くで、君を支えたいと思ってる。」
心臓が爆発しそうなくらい、俺は緊張していた。彼女がどう思っているのか、どう答えるのか、全く予想がつかなかった。でも、今この瞬間に自分の気持ちを伝えないと、後悔することになると感じた。
「もし、君がまだ元彼のことを引きずっているなら、無理に答えを出さなくていい。ただ、俺は君が好きだという気持ちを伝えたかったんだ。」
俺は彼女の反応をじっと待った。彼女はしばらくの間、困ったような表情を浮かべて、何かを考え込んでいた。俺の言葉が彼女にどう響いているのか、その時の俺には全くわからなかった。
「由香里…」俺がもう一度口を開こうとしたその時、彼女が静かに口を開いた。